2017年11月8日水曜日

水舞台

水舞台への憧れはおそらく高校時代に見た山海塾「卵熱」まで遡る。なんとこの作品舞台一面水にしてしまうので、大変なのに北海道まで来てくれた。(確か道新ホールだと思う)
その大変さがわかるので、池とか湖とかそういうところを密かにチェックしながら暮らしていたが、実際に作品として水を使ったのは「Edge」(2003)が始まり。
その後舞台に出る際には必ず水でお清めをするようになり、しかし舞台が水ということは考えていなかった。
2010−11年アルテリオのクリエーションサポートで照明実験をさせていただいたとき(贅沢にも劇場を使ってのもの。ちなみに公演としては1+1=3はそのときの実験の一部を使っている。)、舞台のおじさんに「こんなん水はりゃ一発で出来るんじゃね?」と言われ、いやいや恐れ多いーと返したら、その方は山海塾の舞台さんだった方でした。ちなみに舞台面に水をこぼすと一気に機材などダメになるので、そんな簡単なことではありません。
水への憧れは「筒井筒」のミラーシートにも表れており、(井戸の中を覗き込むというところでミラーシートが光ります)月と水とセットで狙っておりました。
私の中で月夜の中で水を覗き込むイメージがあり、その時は僧役ノブナガケンさんのフレームドラムがお月様の代わりで、実際に脚立に乗って演奏をしてもらいました。

高知美術館さんにはたまたまイギリス時代の友人ダレンが高知でクリエーションをするというので伺い、すごい場所がある!!と衝撃を受けたのが始まりです。去年の夏頃でしょうか。美術館とホールがくっついていてその間に中庭があり、能舞台の構造がそのままあるのです。ビジュアルアートとパフォーミングアートの融合ではないですか!
しかも水。すごい。素敵。実際に見に行った舞台よりそっちの方が気になってしまう始末。

その後高松でサーカスのシンポジウムにお邪魔したら館長さんに会い、中庭の美しさを力説、ぜひ踊りたいですと言ったらそのままOKが出て今回の上演につながりました。そのシンポジウムに関わっていた高知出身のカタタチサトさんが、今は高松に住んでいるんだけれど、本当は地元(高知)でももっと踊りたいんだよね、という話をしていたので、それは渡りに船!と捕まえ、一緒に何かしましょうとその場で口説きました。脚立に乗っかっている時の足(の指)が只者ではなかったのです。美しい。そして即三浦さんに連絡し、スケジュールをおさえられるか確認し、勝手に夜公演プランを書き始めました。
それがかれこれ昨年の12月くらい。本当にやるのかなあと思いつつ、時々高知へ通い、水辺で遊び、かれこれ3回(ダレンの会をいれたら4回)。だんだん土地に馴染んできました。実は夜公演ではなく昼公演で、暗闇を覗き込むはずが白舞台になったり、最終的に実は水が足りなくて完全に水舞台にはならなかったり。でもそれでもこの景色は夢に見た景色だと。高校時代から思っていた勝手なイメージが浮かび上がると思いました。幸せなことです。

たまたま大野慶人さん、一雄さんの映像上映があるとのことで花、鳥(衣装と小物に配置)そして水。これで月があれば完璧だったのに。(ちなみに上演日の4日は満月でした。SPACenfantの天使たちが飛び回っていたらしいです。)
勝手に書いていた夜公演プランは来年あたりまた別の企画になるかなと。いつかまた。

そんなわけですごい空間があるものです。
そんなわけで踊っていいよ空間募集中です。

ちなみに高知美術館にはちゃんとした能舞台もあるのだそうです。ホールの背後に隠れていて演目によって入れ替えることができるようになっているのだそう。すごいな、高知美術館。
鳥取は本当に美術館作るんだろうか。。。

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