2016年10月1日土曜日

シカゴから帰ってきました。

シカゴからの長旅から帰ってきました。
帰っていきなり会議があるのでとにかく一回鳥取に帰り、ガンガンこなしていきます。

シカゴではかなり波乱万丈でした。
というのも、そもそもMobiusと木野ソロと言われていたので、自分の代表作であるEdgeをやろうと思って準備をしていました。が、出発前々日、ダンサーの一人が1日出られなくなるという連絡を受けて、木野が1日踊るという形でできないかと言われ、なんとかしなきゃと衣装を買い足し、何が起きても対応できるように、全部持っていくという形をとっていました。劇場状態もわからないので、裸電球セット(Hospitaleでも活躍)、LED、水ボトル、蓄光ペイント、白リノ、テープに至るまで全部担いで向かうことにしました。

リハーサル開始前日も会場下見をし、劇場が劇場ではなかったのでまず衝撃を受け、ウィング(袖幕)を小部屋に見立て、観客席のあった階段を音楽家専用スペースにしたてなんとか考えをまとめました。現地でできること、できないことを考えるのも仕事だろう。

リハーサルの日に顔をあわせるとダンサーの一人が来ていなくて聞いてみると、彼女は参加しないことになったわ、とのこと。彩子が踊るんだったらという判断だそうで、振付家の許可もないままキャンセルが出されることに。え、彼女が踊りたいのであれば、私は手伝うし、彼女のための作品でもあるんだけれどということで話したものの、動かず、仕方がないので4人用に作品を作り直すことに。
そして環境を考えるとどう頑張ってもEdgeを行うには無理があるため、諦めて、何か違うことをしようと考え直すことに。
各ダンサーに鳥取の部屋で見たこと、したことを言語化していくという作業をしてもらいながら、離れた土地の質感をいかに再現していくかという作業をしながら、「わからない」というダンサーたちにここにいない彼女だったらなんと言うだろうかという設定で話したことを元に、木野が彼女の役割をのりうつって演じるソロ作品へと展開させることを思いつき、Mobius本体と同じ動きを使いながらソロ作品として作り上げ、しかもそれをくっつけてしまうという荒技を繰り広げました。

さらにプログラムを見たら、オリジナルのダンサーの名前が消えていて、クリエーションプロセスがすべて消えてしまう気がしたので、彼女について語ることで名前を残し、そしていつかちゃんと5人で踊ることができるように祈ろうと思いました。

鳥取で思わず参加してしまったユリアちゃんを天使に見立て、野外テラスへと消えていったダンサーたちに重ね合わせ、「天使を見たの」と話しながら、すべてがつながっていく瞬間を味わいました。

あの時彼女が選んだ部屋がたまたま図書室であったこと、そして私たちが滞在したフラットの前に小さな本箱があり、そこに置かれていた小さな本には何も書かれていなかったこと、彼女が今回参加できなかったこと、その理由、そもそも病院という場所でのクリエーションであったこと、さらにその発展先は教会堂であったこと、阿弥陀様に会ってしまったこと、
不在の椅子の意味がすべて円を描くかのようにまとまっていったのでした。

私はこれまでもいろんな作品を手がけてきましたが、今回ほどいろんな巡り合わせによるものはなかったです。さりげなくこの夏私は天使たちを見たのというとAngelsにかかっていてそれもちょっとすごい。
またいつかさらなる形でお見せしなければいけません。
なぜならまだプルミエを迎えることができていないからです。(これについてはまた後で。これの方が深刻な問題だと私は捉えています)



帰ってきたらアリース(IchI、バイオリニスト)からのメールが。Sutraで日本に来ているそうです。これは何としても会いに行かねばなりません。


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