2012年10月24日水曜日

牧野先生踊る!

私の経歴には牧野京子に師事という言葉が入っています。
実際にはお世話になった方はたくさんおり、牧野先生だけに師事したわけではないのだけれど、まあかなり古くから知っていてくれていて、しかも札幌出身なこともあり孫のようにかわいがってくださっている先生です。

先生は滅多に踊らない。
稽古でも適当なことを言って(すみません!)こんな感じで伝達してしまう。
万が一踊ろうとも、そのビデオごと封印してしまうため違うシーンで踊っていた自分たちの映像すら見れないまま、近い弟子ほど先生の踊りを見ることはできない状態がつづいていました。
そんな中、冴子ちゃんの作品の中で久しぶりに踊ったのです。
私が最後に見たのは「銀狐」という笠井叡さんの作品(当時60歳以上のダンサーを集めてつくられたある意味伝説の作品。そういえばその中で中心となって踊っていた牧野先生の先輩、若松美黄さんも亡くなってしまった)以来。本当に珍しいこと。

先生はやはり美しく、いい舞台でした。
手の作り出すラインが全く異なるのです。
「死んで生き返ってが何回もあって大変なのよ」とか「自分の死ぬときの練習みたい」とか散々いっていましたが(そして先生も振り覚えがあまりよくない方で私たちはドキドキしながらみていました)よくぞ踊りきったものです。
そしてみせて下さいました。

いいものをみました。
先生がつくってきた作品にもMother、緑の茎など母への思いを綴るものがあり、それを踊ってきただけに、感じ入るのかもしれません。
とりあえず弟子(うちの稽古場の人全員集合な勢い)たちは涙がとまりませんでした。

適度な距離感のある冴ちゃんだからこそつくれる作品。
そして今だからこそ出来上がった作品。
これもまた出会いなのだろうと思いました。



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