2012年9月24日月曜日

ダンスを教えるということ④ 横浜スクールオブダンス

KAATで行われているWe danceの中にある「スクールオブダンスの記録」を見に行った。

簡単に説明すると横浜市芸術文化教育プラットフォーム(事務局はSTスポット内http://y-platform.org/)は横浜の学校へのアーティスト派遣を行っており、横浜市の500校のうち今年は76校へ音楽、美術、演劇、ダンス、伝統芸能などのアーティストを派遣している。(平成16年スタート)
今年は横浜市がダンスダンスダンスということで特にダンスに力を入れていることもあり、通常はせいぜい3回程度のアーティスト派遣をダンスについては拡大し6校470名のこどもたちに6人のアーティストを派遣することにした。
伊藤千枝、黒沢美香、黒田育世、東野祥子、矢内原美邦、Co.山田うん
そのアシスタントを務める3名(たまたまだが、3人とも私の後輩であり、教員としても活動している)による報告である。(なお、12月1日に横浜市教育委員会主催の発表会があり、それにいたるまでのワークショップであり、現在も継続中である)

これまでこのブログで扱っているとおり、中学のダンス必修化もあり、ダンサー、アーティストの派遣というのが今後増えていくと思う。なので若いダンサーさん(私は若くないが)みてもらいたい会だった。

私自身コミュニティダンス、あるいは学校での指導もしている。(これと同じような形で札幌の高校生にワークショップに行った)そして、元々中高で教えていたこともあり、アーティストが直接授業を担当する必要性を感じていた。横浜市は創造都市構想のもと特に文化活動に力を入れているが、今後全国に広がっていくと思う。

正直、内容は似通っていると私は思う。
AMANOGAWAプロジェクト(https://sites.google.com/site/amanogawaproject/)で行ったゲームにそっくりなものもある。
まねっこゲーム、言葉での導き、模倣、女子体育で学んできたことにかなり近い。しかし、断片にそれぞれの振付家のキャラクターが出てきており、こどもたちも様々なため、日々変化していく。そしてその繰り返しからまた新たな遊びが生まれていくのだろう。

今回の中で興味深かったのは山田うんさんの展開だった。
自分をどのように見せるか、どのようにみんなを導くかきちんと計算してつくられているのがよくわかる。(他の人が考えていないというわけではない)
ニヤカムさんもそうだが、わかりやすく、そして導く、その後花開かせる流れがとても明確であったと思う。

うんさんは小学1年生対象だったが、幼稚園生、もしくは上の学年でも通じるし、実際ほとんどの振付家は大人でもほぼ同じ内容で展開するとのこと。私自身もそう思っているがこどもは大人と別の生き物ではない。そのあたりまえのことがあたりまえに言えることがちょっとすてきだと思った。

そしてこのような機会がどんどん増えていくことを望んでいるし、たとえ3回くらいの授業であっても、できる限り多くのこどもたちが自由に動く楽しさを知るとよいと思う。

そしてその一方で「わーい、ダンス楽しー!」で終らせることができるかどうかということを思った。

「舞踊家で、生きていくために教えることもあるというのと教育者はちがう」と言われた言葉とあわせ、考えさせられる。確かに私が現在考えていること、作り出そうとしていることとはずれがある。コミュニティダンスとそれぞれの人が生きていくための考える時間というスタンスは違う。そしてそういうものは大人数で一気にできるようなものではない。みんな用につくることもできる。でも本当はちゃんとそれぞれの人とお話する時間が欲しい。AMANOGAWAプロジェクトは短いなりにも話す時間があったからよかったんだということに気がついた。そしてもっと時間をかけることができたらどうなっていただろうとも。

みんなの役に立つべく自分の知識をいかす、応用する、新しく生み出すというお仕事。
自分がしていることが社会とつながっていくように、つながっていけるように説明できるようになることは大事なこと。そういう意味でとても勉強になった。

その一方で私が今やらねばならないことということも思った。


「踊ることは生きること」
そう言える人を選んだと岡崎さんの談。
踊ることは生きること、しかし私が踊ることに他人を巻き込めるのか、そして学校という枠の中で強制的に巻き込めるのか。

映像・文章ともに記録としてまとまるはずなので、それを楽しみにしたい。








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